Sannomiya Twilight

先日の刊行記念イベントで安田謙一さんからいただいた「神戸、書いてどうなるのか」を読了。
子供の頃からから寺田寅彦随筆集のようなエッセー(とは言えないか)が好きだった僕には軽妙だけど愛情溢れる眼差しと筆致がとても面白く、筆者と同世代ということもあるのか、ほとんど行った事の無い神戸が身近に感じられる一冊だった。

神戸、三宮といえば小学生の頃、親が万博に連れて行ってやるというので家族で大阪に旅行したことがあった。たしか9月の初頭で、期間終盤だったので人出も落ち着いてるだろう、という親の予想に基づきわざわざ学校を休んで行ったのだが、いざ着いてみると凄い人でどのパビリオンも長蛇の列、待ち時間2時間超えなどザラで、入場直後、その光景を見て早くも耐えきれなくなった父が「やってられん、三宮へステーキ食べに行くぞ」と弟を連れて勝手に会場を後にしてしまった。
残された僕と母はいくつかの待ち時間の少ないパビリオンを申し訳程度に見学して(何を見たかまったく覚えてない)太陽の塔の置物とペナントを買ってもらい、夕方前には早々に三宮に向かった。
夜の三宮はさんざめく人波とネオンに彩られてとても魅惑的だった。予約してあった駅前のホテルに宿泊して翌日には帰路についたのだが、結局この万博旅行で印象に残ったのは会場で初めて食べたアメリカンドッグの味と三宮の夜景だけだった。

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